そんなこんなで、結局僕とカイトがじゃれている間に、村に到着してしまった。


 出発した時は凄く遠くに感じた村だけど、カイトのおかげで気付かないうちに着いてしまった。


 村に着くころには、もう夕日が9割ぐらい沈んでいた。


 そして、後ろを振り返ると、僕とカイト以外のみんなが、今にも死にそうな顔をしていた。


 特に、ラスカくんを背負っているエイムくんは、足がふらふら状態だ。


 もう最短距離で冒険者ギルドへ向かう。


 みんな疲れ切っているし、もう真っ暗になっちゃうしね。


 結局ヘトヘト状態だったのと、村に辿り着いたことで安心しちゃって、ギルドに着く頃には、火が沈んで辺りが真っ暗になっちゃっていたんだけどね。



 ギルドに着くと、それはそれは衝撃的な光景が広がっていた・・・。


 ギルドの床一面に負傷者が敷き詰められていて、その様子はまさに、戦争映画なんかで見る野戦病院かのようだ。


 うんうんそうだよね、普通はこうなるよね。


 いくらポーションが配給されているとはいえ、あのモンスターの数だ。


 ポーションの量がどれだけあっても足りないし、それに、そもそもポーションを飲ませてもらえる暇を貰えないからね。


 そんなこんななので、今現在足の踏み場が無くって先に進めない状況だ。


 取り敢えず僕たちは、どこでもいいので座りたいんだけれど・・・。


 これは無理そうかもしれないね。


 どうしようかな、立ち尽くしていてもしょうがないし。


 「これじゃあどうにもならねぇな。 食堂とかどうなんだ? 誰か見えないか?」


 ロードさんの一声で、門番組が背伸びをする。


 すると、ちょっとだけ見えたようだ。


 「ちょっと見えたけどさぁ、ダメだなこりゃ。 みんな椅子にもたれ掛かって死に掛かってるわ。」


 「空いてる席はないのか?」


 「待ってろ、今見てやる。」


 また頑張って背伸びしている。


 すると、バタンッ!!!


 え、お兄さん!?


 倒れちゃったよ、大丈夫だろうか??


 「大丈夫かぁ!?」


 「イッテテテテテテー!!」


 「おい! どうした!? 大丈夫か??」


 「うぅぅ・・・すまない。 足を・・・足を攣ったぁ・・・。」


 うわぁ、それはそれは痛そうだ。


 僕も無理して動かしちゃうとああなっちゃいそうだ。


 それは絶対の絶対にイヤなので、本当に気を付けないといけないね。


 お兄さんは、身をもってそのことを僕に教えてくれたんだよね。


 ありがとう、お大事に。


 あ、全然僕は冷たい人じゃないんだよ。


 ただ、疲れすぎてて思考がおかしくなっちゃってるだけなんだからね。


 でも、お兄さんはこんなになりながらも、ちゃんと収穫を残してくれた。


 「うぅぅ・・・、席だが・・・空いていなかった・・・ぞ。」


 そ、そんなぁ・・・、僕の休息が・・・。


 「そうか、そんなになりながらもありがとな。」


 「あ、あぁ。」


 「ちょっと痛むと思うが耐えろよ。」


 そう言ってロードさんが、お兄さんの攣った足を掴み治そうとしている。


 「うわぁぁぁぁ!! 痛い痛い!!」


 こういうのはダメだ、僕は目を背ける。


 さっきまでモンスターを斬ったり炙ったり、なんだりしておいてどうかと思うけれど、こういう光景って昔からダメなんだよね。


 別に手術を始めようってわけじゃないんだけど、自分がやられてるみたいだから、やっぱり嫌なんだよね・・・。